「CBDにはアレルギー症状を緩和させる効果はあるの?」このようにお悩みではないでしょうか?
たしかにCBDは医薬品ではありませんが、毎日の癒しに使うことができるので、アレルギー症状とは関係があるのか気になりますよね。
そこでこの記事では、CBDはアレルギー症状を緩和できるのか、また逆にアレルギーを引き起こすことがあるのか解説します。
また、CBDによるアレルギー反応を抑えるために気を付けることについても解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
CBDはアレルギー症状を緩和できる?
CBDはアレルギー症状を緩和できる可能性があります。
そもそもアレルギーとは、人間の体に備わっている免疫システムが異常を起こし、くしゃみや発疹、呼吸困難などの症状を起こすことです。
通常はこの免疫システムがあるために、細菌やウィルスなどや異物から身を守ることができ、必要以上に病気にかからずにすんでいます。免疫の働きが異常を起こすのは、現代文明による環境やライフサイクルの変化が原因です。
CBDが人間の身体調整機能をサポートするのは、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)を介してです。
アレルギー反応は外界からの食物、花粉、外気などで不調が生じるためで、このようなとき、内因性カンナビノイドは神経伝達物質として体内の不調箇所へ流れつき、体調が一定に保たれるように働きます。
CBDも内因性カンナビノイドと同じようなメカニズムでECSに働きかけると言われています。
したがって、外界からの食物、花粉、外気などでアレルギー反応が起こった場合に体内の不調箇所へ流れつき、アレルギー反応を抑えるように働く可能性はあるでしょう。
アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用4選
CBDがアレルギー症状を緩和に役立つ可能性があることが研究報告されています。
ここでは、アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用4つを紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用その1:エンドカンナビノイドシステム(ECS)促進作用
CBDにはエンドカンナビノイドシステム(ECS)促進作用があります。
エンドカンナビノイドシステム(ECS)とは、人間が体内で生成している「内因性カンナビノイド」が関与して、体内の恒常性を保つシステムです。
体温はまわりが暑くても寒くても外気に合わせることなく、ほぼ36度に保たれています。暑いと自律神経が機能して汗をかき、寒いと震えて体温を一定に調節するという具合です。
内因性カンナビノイドは神経伝達物質として体内の不調箇所へ流れ「カンナビノイド受容体」と結合します。
CBDが体に働きかけるのも、ECSを介してです。つまり、CBDを摂取するとECSの働きを促進すると言えるでしょう。
ECSは、例えば加齢やストレス、暑さ、寒さなど体外環境の影響で、内因性カンナビノイドが不足すると、通常通りに働けなくなります。すると途端に体調不調が発生します。このようなとき、CDBを摂取すれば、ECSを促進し、身体機能は無事調節されるでしょう。
体内でアレルギー反応(体調不調)が起こった場合も、CBDがECSの働きを促進して身体調節機能を高めれば、アレルギー症状を緩和できるでしょう。
アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用その2:抗炎症作用
CBDには抗炎症作用があります。
2009年に米国で行われたマウスの研究で、CBDが免疫に関わるT細胞の活性化抑制の働きをすることが報告されました。
Cannabinoids as novel anti-inflammatory drugs
アレルギー症状の原因は免疫の過剰です。
免疫過剰なアレルギーにCBDを使用することで、結果的にCBDがアレルギー症状を緩和することが可能性があります。
ただし、この研究は人を対象にしたものではないため、人に対して投与しても、同じようにCBDのアレルギーの緩和作用が発揮されるかどうかは不明です。
CBDのT細胞の活性化の抑制については、今後、臨床試験などで確認する必要があります。
アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用その3:抗ヒスタミン作用
CBDには抗ヒスタミン作用があります。
2005年に米国で行われた研究では、CBDがアレルギー症状を起こすヒスタミンの増加を防ぐことができることが報告されています。
Anti-inflammatory potential of CB1-mediated cAMP elevation in mast cells
ただし、この研究は人を対象に行ったものではないため、人に対して投与しても、おなじような効果が発揮されるかどうかは不明です。
CBDのヒスタミン増加作用を証明するためには、今後、臨床試験などで確認する必要があります。
アレルギー症状の緩和に役立つCBDの作用その4:CBDの炎症軽減作用
CBDには炎症軽減作用があります。
CBDには炎症軽減作用があるとも言われており、これもアレルギー症状緩和に繋がる可能性が考えられています。
このことに関しても、CBDがアレルギーの炎症を緩和するのではないかと推測されているだけで、十分なエビデンスはありません。
CBDがアレルギーを引き起こすことはある?
CBDがアレルギーを引き起こすことはあります。
CBD製品はサプリメント、もしくは化粧品などです。
サプリメントは健康食品ですが、万人に安全な食品や化粧品はありません。
例を挙げると、どんな食品でもアレルギーを発症する人がいるし、化粧品のパッチテストがあるのは、使用前にアレルギーの有無を確認するためです。
具体的にお話ししましょう。
鶏卵、牛乳、小麦は毎日の食生活になくてはならないもので、買い物でこれらを忘れずに購入するという人は多いでしょう。しかし、食物アレルギーの原因食物のトップ3です。そのほか、クルミやアーモンドなどの木の実類、ピーナッツ、くだものではキウイフルーツやバナナなど、イクラやたらこなどの魚卵、ソバ、大豆、魚類など、ふだんよく食べるものでもアレルギーを起こす人がいます。
一般的に、食品にリスクがないことを求めることは現実的には不可能で、摂取する際に、量や利用対象者を考慮すべきで、特にハイリスクグループは要注意とされています。
ハイリスクグループとして挙げられるのは以下のような人達です。
【食品のハイリスクグループ】
- 病気の人
- 高齢者
- 妊産婦
- 乳児・小児
CBD製品もすべての人に安全ではありません。
特に上記のハイリスクグループの人達は使用前に十分検討しましょう。
自分自身で判断できない場合は、健康状態などをよく知る医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状4選
すべての人に安全とは言えないCBD。
そのCBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状にはどんなものがあるでしょうか。
ここでは、CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状を4つ紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状その1:アトピー性皮膚炎
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状の1つは、アトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な病気です。
アトピー性皮膚炎では、皮膚の「バリア機能(外界の刺激や乾燥などから体の内部を保護する機能)」が低下しているために皮膚に炎症が起こります。
この場合、外部からアレルゲンなどの原因の刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びついて、炎症が起こるのです。
アトピー性皮膚炎がかゆいのは、かゆみを感じる神経が皮膚表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態になっているからです。かくことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環にも陥っています。
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状その2:アレルギー性鼻炎
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状の1つは、アレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎とは、原因物質のアレルゲンが鼻粘膜から侵入して免疫反応が起こることで、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が起こる病気です。
通年性アレルギー性鼻炎(症状が一年を通して出るタイプ)と、季節性アレルギー性鼻炎(特定の季節だけに症状が出るタイプ、たとえば花粉症)があり、両方を合併している場合もあります。
アレルギー性鼻炎の原因として考えられるものを以下に挙げました。
【アレルギー性鼻炎の原因】
病名 |
原因物質 |
通年性アレルギー性鼻炎 |
ダニやハウスダスト(カビ、ペットの毛など含む) |
季節性アレルギー性鼻炎 |
花粉。特にスギ・ヒノキ花粉、ハンノキやシラカバ、イネ科、ブタクサなど |
花粉の飛散の時期や種類には、地域により差があります。
ある時期にだけ、アレルギー性鼻炎の症状が現れる方は抗体検査を受けてみましょう。
医療機関で申し出れば、保険診療で受けられます。
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状その3:気管支喘息
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状の1つは、気管支喘息です。
気管支喘息とは、空気の通り道である気管支が急に狭くなり、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」とし始めて呼吸が苦しくなる状態(急性増悪、いわゆる発作)を繰り返す病気です。
気管支喘息では気管支に慢性的な炎症が起こっていて、炎症のために少しの刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れる、粘液(痰)が分泌される、気管支の周りの筋肉が縮むなどして、発作が起こります。
慢性的な炎症を治さないと、発作はいつまでも出現します。
炎症が長期に続いてしまうと気管支自体が硬くなり、治療が難しくなってしまいます。
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状その4:アレルギー性結膜炎
CBDにより引き起こされる可能性があるアレルギー症状の1つは、アレルギー性結膜炎です。
アレルギー性結膜炎とは、目の表面にアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。
結膜とは、白目の部分とまぶたの裏側を覆っている粘膜を指します。
アレルギー性鼻炎と同じように、特定の季節だけに症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎、一年中症状がみられるものを通年性アレルギー性結膜炎といいます。
重症のものとして挙げられるのは、子どもに多い春季カタル、ソフトコンタクトレンズを使っている人に起こる巨大乳頭結膜炎などです。
CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるために気を付けること3選
だれにでも起こる可能性のあるアレルギー反応。
CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるためにはどのようなことに気をつければよいでしょうか?
ここでは、CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるために気をつけることを3つ紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるために気を付けることその1:皮膚や体調の様子を見ながら少量から始める
CBDは皮膚や体調の様子を見ながら少量から始めましょう。
そうすることで、アレルギー反応のリスクを抑えることができます。
皮膚の状態や体調が悪いときにあえて始めないで、良いときに使い始めましょう。
体調の悪いときに始めると、アレルギー症状が起こっても、原因がCBD製品なのか、体調の乱れからなのかの判別が難しいからです。
また、量が多すぎて体調不良になる場合もあります。少量から始めて体を慣らしていくのが良いでしょう。
CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるために気を付けることその2:他の薬と併用をしない
CBDは他の薬と併用をしないようにしましょう。
そうすることで、アレルギー反応のリスクを抑えることができます。
病気で薬を服用中は控え、治ってからにします。
慢性疾患で常に薬を服用している場合で、使用してもよいかどうかの判断が自分でできない場合は、健康状態を良く知る医師や薬剤師に相談しましょう。
CBDによるアレルギー反応のリスクを抑えるために気を付けることその3:使用前に医師に相談する
CBDは使用前に医師に相談しましょう。
CBDは身体によい影響をもたらす可能性がありますが、上記のようにアレルギー反応を起こす可能性もあるためです。
自分で判断できる場合は問題ありませんが、自分では判断しきれない、自分の判断に自信がない、持病があってすでに医薬品を使用しているなどの場合は、健康状態よくを知る医師に相談することをおすすめします。
そのような医師がいない場合は薬剤師でもいいでしょう。
CBDはアレルギー症状を緩和できる?またアレルギー反応を引き起こすことがあるかも解説!|よくある質問
CBDはアレルギー症状を緩和できるかどうかについてのよくある質問への回答をまとめました。
あなたの疑問が解決できる可能性があるので、読んでみてください。
1.CBDは花粉症に効果がある?
CBDは花粉症に効果がある可能性があります。
しかし、花粉症のためにCBDを摂取するのはおすすめできません。
花粉症というのは、花粉に対するアレルギー症状で、立派な疾患です。
一方、CBDは現時点では医薬品ではなく、サプリメント、健康食品の扱いです。
健康な人がより健康になるために摂取する分には問題ありませんが、治療薬ではありません。
治療に使う医薬品は開発のためにいくつもの臨床研究を重ねて、たくさんのエビデンスを抱えて販売されています。
そのほかにもデータの収集を重ね、副作用、副作用のリスクの高い人、一緒に飲んではいけない医薬品などについてもある程度の情報があります。
しかし、CBDについてはまだ研究が不十分で疾患に使用できるほどのデータがありません。
そのために、花粉症などの疾患には使用できないでしょう。
2.CBDオイルにアトピーの悪化を抑える効果はある?
CBDオイルにアトピーの悪化を抑える効果がある可能性はあります。
しかし、こちらもアトピーのためにCBDオイルを使用することはおすすめできません。
なぜなら先述のようにCBDオイルは現時点では医薬品ではなく、サプリメン、健康食品の扱いであり、治療薬ではないためです。
CBDオイルについてはまだ研究が不十分で疾患に使用できるほどのデータはありません。
そのためアトピーなどの疾患には使用しないようにしましょう。
CBDはアレルギー症状を緩和できる?またアレルギー反応を引き起こすことがあるかも解説!|まとめ
この記事では、CBDとアレルギー症状の関連性について解説しました。
CBDにはアレルギー症状を緩和するという報告もありますが、はっきりしたことは言えません。
効果があるのであれば使えるように、早く必要な臨床試験の結果が出ると良いですね。
また、逆にアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。
安心してCBDを使うために使用上の注意を守って、不安がある場合は、健康状態をよく知る医師や薬剤師に相談の上使用しましょう。