「THCOって使っても大丈夫な成分なの?」「THCOにはどういった危険性があるの?」このようにお悩みではありませんか?
THCOは、大麻草から取れるカンナビノイドと特定の成分を合成して作られた半合成カンナビノイドのことです。
以前までは、違反性が無いとして合法で摂取できていましたが、2023年の3月20日からは違法な成分として扱われるようになりました。
この記事では、THCOがどういった成分なのか、どうして違反の成分として扱われるようになったのか、人体にどういった影響を与えるのかなどを解説します。
これからTHCOを摂取しようと考えている方や、すでに所持しているという方は参考にしてみてください。
THCOとは|THCOの危険性を解説!
THCOとは、THC-Oアセテートと呼ばれる成分のことです。
2023年3月20日までは違法性の無い成分として扱われていましたが、20日以降は規制成分に切り替わりました。
以前まで合法な成分だったにも関わらず、どうして違法成分に切り替わってしまったのでしょうか。
ここでは、THCOの危険性について解説します。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
THCOはハイになる
THCOは、摂取することで気分をハイにする効果があります。
気分をハイにすると聞くと良い効果のように思えるかもしれませんが、実際のところそのような簡単な話ではありません。
一時的とは言えハイになってしまうことで、そこで精神作用(中毒性)が生まれてしまうからです。
一度精神作用が生まれてしまうとなかなか抜け出せなくなり、最終的に依存症にまで悪化してしまいます。
酷い場合には幻覚などを見始めてしまうこともあり、非常に危険な成分であると言えるでしょう。
THCOの効力はTHCの約3倍
大麻と言えば日本で違法とされている植物ですが、中でも禁止されている成分がTHCと呼ばれる成分です。
THCは大麻から取れる純粋な成分で、不眠症の改善や鎮痛効果、不安の改善などさまざまな良い効果が期待できる成分でもあります。
しかしその副作用として、精神への作用や人体への悪影響が多く見られました。
その結果違法として扱われるようになり、現在では医療用途としての使用も認められないものになっています。
一方で、今まで合法とされていたTHCOはこのTHCの約3倍の効力があると言われています。
不眠症の改善などの良い効果も3倍期待できる一方で、人体に影響を与える副作用(バイオアベイラビリティ)も非常に大きくなってしまいました。
その悪影響の大きさから、サイケデリックカンナビノイドと呼ばれることもあります。
その結果、違法性が高いとして制限がかけられるようになっています。
これだけ見ると「なんでTHCが違法でTHCOが違法じゃなかったの?」と思われるかもしれませんが、理由はシンプルにTHCOが比較的新しい成分だったからです。
これについては、後述するためここでの説明は省略します。
効果が出るまでに時間がかかる
THCOを摂取してから効果が出るまでの時間は約1時間です。
THCなどの大麻から取れる成分は一般的に20分~30分で効果が出るため、1時間は非常に長いと言えます。
こういった強い効果を持った成分で効果が遅いのは、あまり良い事ではありません。
なぜなら、効果を待っている間に待ちきれずに、再度THCOを摂取してしまう可能性が高くなるからです。
ハイになりたいからTHCOを摂取したのになかなか効果が出ない、その結果効果が出る前に再度THCOを摂取するといったことを繰り返す内に、体内がどんどん蝕まれてしまいます。
こういった悪循環も、THCOの良くない点の1つと言えます。
一方で、効果が出るまでに20分~30分ほどしか掛かからないTHCなどの成分は、摂取後すぐに効果を実感することが可能です。
そのため、効果が出るまでに追加で摂取することがなく、短時間でも過剰摂取を防ぐことができます。
この悪循環が生むTHCOの過剰摂取も、危険性が高いと言われる所以でしょう。
THCOはTHC類似の半合成カンナビノイド
冒頭でも記載しましたが、THCOはTHCをアセチル化(アセテート)して作られた物質です。
大麻草から抽出されたTHCを無水酢酸と硫酸で混ぜ合わせて、THCOを作成します。
こういった製法で作られるカンナビノイドを半合成カンナビノイドと呼び、通常のカンナビノイド以上の効果をもたらします。
通常のカンナビノイド以上の効果をもたらすため、メリット部分も勿論多いですが、その分デメリットも大幅に大きくなってしまいます。
THCOの場合は、以下のようなメリットとデメリットが生まれました。
メリット |
デメリット |
・不眠症の改善 ・不安の緩和 ・食欲の増進 ・鎮痛効果 ・鎮静効果 |
・過度な依存性(精神作用) ・乱用による知的機能の低下 ・無動機症候群 ・情緒不安定性 |
もちろんメリットも多いですが、その分依存性が非常に高く、実用には難しい成分になっています。
そもそも半合成カンナビノイド自体、危険性が非常に高い物質として知られていました。
なぜなら、半合成カンナビノイドは以前から違法ドラッグの抜け道として使われていた物質で、グレーゾーンな物質が多くあったからです。
今回THCOと併せて規制された「HHCO(ヘキサヒドロカンナビノール)」も、HHCをアセチル化して作られた半合成カンナビノイドの一つです。
ちなみに、危険性の高い半合成カンナビノイドが違法として扱われないのは、研究が追いついていないためです。
近年、違法ドラッグの抜け道のために、さまざまな物質が作られています。
その全てを追って違法性を確かめることは非常に難しく、仮にその物質が流行ったとしてもすぐに規制をかけることができないのです。
今回のTHCO・HHCOに関しても同様の理由と考えられます。
明らかに危険性は高いものの、しっかりとした根拠を提示するだけの研究が足りていないため、野放しにするしかないという状態です。
今後もこういった状態になる可能性は高いため、たとえ流行っていたとしても、危険性の高い半合成カンナビノイドは摂取するべきではないでしょう。
THCOは日本では指定薬物であり違法!
ここまで何度か紹介した通り、現在日本ではTHCOは違法薬物の扱いになっています。
2023年3月20日の決定により、THCOは製造・使用・所持全ての項目において違法と判断されるようになりました。
THCOが違法となった最大の原因は、加熱時に有毒性の高い「ケテン」が発生するためです。
ケテンとは、健康被害の可能性が高い有害物質で、主に目や呼吸器に対して刺激性を持っています。
さらに、ケテンを肺まで吸収してしまうと死亡してしまうケースもあるほどです。
THCOを1回摂取するごとにどれくらいのケテンが発生するかという具体的な部分に関しては触れられていませんが、規制を判断したということは、ある程度の危険性が見られたということでしょう。
またその他にも、半合成カンナビノイドに関しての危険性は多く示唆されており、心臓発作や腎臓障害、重度の肺損傷など致命的な症状も多く報告されています。
それらのことを考慮しても、ケテン以外に危険性があることは間違いないです。
ちなみにTHCOに関しては、アメリカの麻薬取締局でも規制物質であると見解が示されています。
大麻などが合法で吸えるアメリカですら制限するほどなので、よほど危険性が高かったと予想されるでしょう。
THCOが人体に与える3つの影響
THCOを加熱することでケテンという有害物質が発生することを上記で説明しました。
しかし逆に考えると、「加熱さえしなければ安全に摂取できるのではないか?」と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、THCOは加熱しなくても危険性が高い成分です。
そこでここからは、THCOが人体に与える3つの影響について解説していきます。
それぞれの影響についてみていきましょう。
THCOが人体に与える影響1:陶酔感や多幸感
THCOの効果についてはあまり研究されていませんが、基本的には合成前のTHCと同じ効果を持っているとされています。
それを考慮した上で、1つ目の影響として挙げられるのが陶酔感や多幸感です。
摂取した後、一時的に陶酔感や多幸感を得られることは非常に良い事ですが、あくまで効果があるのは一時的な時間のみになります。
その効果が切れてしまうと現実に引き戻され、またその陶酔感や多幸感を求めて、THCOを摂取してしまうことになります。
これがTHCOを通常摂取した場合の、最も危険性が高い部分と言えるでしょう。
一度摂取してしまうと、その中毒性から抜け出すことができなくなり、最終的には常に陶酔感と多幸感を求めるようになってしまいます。
その結果、毎時毎時THCOを摂取する必要が出てきて、金銭面や身体面で問題が発生します。
THCOを購入するために借金をしてしまったり、過剰摂取で身体障害が起きてしまったりと、取り返しの付かないことになる可能性が高いでしょう。
THCOが人体に与える影響2:幻覚や記憶障害などの知的機能の低下
THCOを摂取したときに得られる陶酔感や多幸感を求めて何度も摂取してしまうと、幻覚が見えるようになったり、記憶障害が起きてしまったりなど、知的機能の低下が見られるようになります。
大麻に含まれる有害生物であるTHCですら、幻覚が見えたり記憶障害が起きてしまったりするにも関わらず、THCOはその3倍以上の効力があるとされています。
3倍以上の効力があるのであれば、THCOを多量摂取することによる幻覚や記憶障害は避けられないでしょう。
そして、幻覚や記憶障害が起きてしまうと、それを解消するために、再度THCOを摂取してしまいます。
症状が悪化していくと、最終的には自分で意識を保てず、急に倒れてしまう可能性が高いです。
実際のデータとして、THCOの過剰摂取によって死人が出てしまったという実例もあります。
その点を考えると、最終的にはそういった危険な症状が重なってしまい、意識が戻らなくなったり、自ら命を経ってしまうのかもしれません。
ただし、THCOは低容量摂取するだけであれば、鎮静効果が期待できると言われています。
現在は違法になっているため関係ありませんが、正しい使い方をすれば、良い効果だけを活用することができたの可能性は高いです。
これから先同じ様な半合成カンナビノイドの成分を利用する場合は、しっかりと成分を守って少ない量から利用することが重要になると言えるでしょう。
THCOが人体に与える影響3:集中力の低下
THCOを摂取することで長期的な集中力の低下に繋がる恐れがあるとも言われています。
米ウィスコンシン大学の博士は、「大麻を摂取することで、脳が成長段階(脳は25歳まで成長する)にある若者の認知能力の発達に悪影響を与える可能性がある」と述べられています。
実際4万3千人を対象に行われた調査でもその事実が示されており、大麻を吸うことで、意思決定や重要なデータの記憶、感情や行動のコントロールなど、脳の高次の思考力に悪影響を及ぼすことが証明されていました。
そういったデータを考慮すると、集中力の低下以外にもさまざまなデメリットが生まれると考えて間違いないでしょう。
ただし、このデータは若者だからこそ適用できたもので、高年齢の人がどうなるかについては、情報がありません。
あくまで若者の脳が成長する過程で悪影響があるというデータなので、仮に成長しきった人が同じ調査を受けたとなると、結果が変わる可能性もゼロではありません。
いずれにしろ違反性が高い物質に変わりはありませんが、データを見る限り、若者にとって特に有害性の高い成分であったと言えるでしょう。
THCOの副作用
THCOの副作用はさまざま考えられますが、主に報告されているものは以下の通りです。
- 吐き気・嘔吐
- 発作
- 無動機症候群
- めまい
- 心臓発作
- 腎臓病
- 肺損傷
副作用に関してもさまざまありますが、THCOの大きな問題点は副作用ではありません。
THCOの問題点は、そもそもの作用として中毒性が高い要素が複数あるという点です。
そのため、上記のような副作用は多くあるものの、問題点はそこではないという点は把握しておくと良いでしょう。
また、これに関してはTHCOに限らず、どの半合成カンナビノイドにも言えることです。
「副作用があるから利用を控える」という視点ではなく、元の成分の効能自体に危険性があるから摂取すべきではないという考えを持つことが重要になるでしょう。
THCOの危険性とは?特徴や成分、人体に与える影響を解説!|よくある質問
最後にTHCOに関するよくある質問についてまとめました。
気になる内容がある方は、合わせてチェックしてみてください。
THCOはキマる?
THCOは非常に効能が強いため、通常通り摂取してもキマる可能性が高いです。
ただし、THCOに限らず、こういった成分の効き目は個人差によっても大きく変わります。
そのため、派手にキマる人もいれば、思ったよりキマらず少しテンションが高いくらいというような人もいるでしょう。
とは言え、THCOの効能は大麻として利用されるTHCの3倍と言われています。
大麻ですらキマる人が非常に多いため、その3倍の効能があるTHCOではほとんどの人がキマることができるでしょう。
THCOは規制対象?
THCOは2023年の3月20日より規制対象になりました。
そのため現在は、持っているだけでも違法になります。
記事内でも解説した通り、THCOが規制に掛かった最大の原因は加熱時に生じる「ケテン」です。
非常に有毒性が高い物質で、人体に対する悪影響が大きいため、規制する流れになりました。
しかし、仮にケテンがなかったしても将来的に規制されていた可能性は非常に高いです。
こういった中毒性の高い成分は遅かれ早かれ制限される傾向にあるため、今後使おうと思っている方は違法で摘発される可能性があるという点は理解しておきましょう。
いずれにしろ当記事では、今回規制されたTHCOやHCCOのような半合成カンナビノイド成分を利用した製品は利用しないことをおすすめします。
THCOの危険性とは?特徴や成分、人体に与える影響を解説!|まとめ
この記事では、THCOの危険性や特徴、成分について解説しました。
2023年3月までは規制なく利用できていたTHCOですが、人体への悪影響が見つかったため、現在は規制の対象となっています。
作成・所持することも違法になるため、これから摂取しようと考えている人は注意が必要でしょう。
なお、THCOに限らず人体への影響が大きい成分に関しては、今後も規制される可能性が高いです。
そういった成分を摂取する場合は、危険性をしっかりと理解した上で摂取することを心掛けましょう。