「THCVとはなんだろう・・・?」とお悩みではありませんか?
THCVは最近耳にしますが、どんな物質で、どんな影響があるのか分からないですよね。
そこでこの記事では、THCとの違い、原料・効果についてTHCVを解説していきます。
この記事を読めばTHCVをより効果的に使って暮らしを豊かにすることができます。
THCV(テトラヒドロカンナヒバリン)とは?
THCVは大麻草から採れる成分の一種で、Tetrahydrocannabivarin(テトラヒドロカンナビバリン)の略称です。
THCVはTHC(テトラヒドロカンナビノール)とよく似ている構造を持っています。
しかし、THCやCBD(カンナビジオール)の前駆物質はCBG(カンナビロゲール)ですが、THCVの前駆物質は別系統のCBGV(カンナビゲロバリン)です。
前駆物質・・・ある化学物質について、その物質が生成する前の段階の物質のことを指す
食欲抑制、発作やけいれんを減少させ、骨の成長促進刺激の影響を与えると言われています。
THCVを含む品種が生育しているのは、中央アジアやアフリカ南部です。
THC(テトラヒドロカンナビノール)とは?
THC大麻草から採れる成分の一種で、Δ9-Tetrahydorocannabinol(Δ9-THC)(テトラヒドロカンナビノール)の略称です。
マリファナに含まれて、精神に影響を与える主な成分であることが有名です。
マリファナにはTHC3〜25%が含まれており、THCの含有量は品種によって異なります。
マリファナを吸うことで、食べ物がおいしく感じると言われますが、食べ物がおいしいのはTHCの効果のためです。
THCV(テトラヒドロカンナヒバリン)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)の違いは?
THCV(テトラヒドロカンナヒバリン)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)の違いを3つ解説していきます。
THCVは希少な成分
THCVは希少な成分です。
大麻草は、乾燥を行ったかどうかや、生育する地域、生育した年によってその含有成分量が異なります。
例えば、日本の研究所で栽培された大麻草の報告によると、THCVはある大麻草(メキシコ産系統)では苞葉、花穂、葉から少量検出されました。
しかし、別の大麻草(トチギシロ)からは全く検出されませんでした。
参考文献:LC-Q-TOF-MSを用いた大麻草(Cannabis sativa L.)のカンナビノイド11成分の分析
一方、大麻草の主なカンナビノイド成分はTHCとCBDです。
THCの含量は品種により違いますが、一般的に花穂10〜12%、葉1〜2%、茎0.1〜0.3%程度とされています。
参考文献:大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会 議論のとりまとめ
THCVは合法な成分
THCは違法な成分ですが、THCVは合法な成分です。
日本では従来、大麻は種子、茎、葉など成分の抽出部位規制が行われていました。
しかし、成分規制へと原則を変更することになり、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の改正に向けた基本的な方向性を検討中です(2022年9月現在)。
結論としては、成分規制では大麻草の使用部位に関わらず、有害な作用をもたらすTHC のみを規制しています。
参考文献:大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会 議論のとりまとめ
麻薬及び向精神薬取締法の政令で麻薬として規定されている成分は下記の通りです。
・Δ6a(7)-テトラヒドロカンナビノール(THC)
・Δ6a(10a)-テトラヒドロカンナビノール(THC)
・Δ7-テトラヒドロカンナビノール(THC)
・Δ8-テトラヒドロカンナビノール(THC)(化学合成に限る。)
・Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)(化学合成に限る。)
・Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(THC)
・Δ10-テトラヒドロカンナビノール(THC)
有害な物質であれば、国による取り締まりが行われるためTHCVは問題ないでしょう。
THCVは様々な分野で期待されている
THCVは様々な分野で期待されています。
THCVは大麻草のカンナビノイド成分ですが、人間も体内で「内因性カンナビノイド」というカンナビノイド成分を生成します。
カンナビノイドは不調時、神経伝達物質として体内を流れますが、カンナビノイドを受け取るのが「カンナビノイド受容体」です。
THCVはカンナビノイド受容体全てに結合します。
私たち哺乳類は、外気が高くても一緒に体温は上がらず、自律神経が機能して汗をかき、体温をほぼ一定に調節しており、これを恒常性と呼んでいます。
その恒常性からカンナビノイド受容体までの一連の働きをエンド・カンナビノイド・システム(ECS)と呼びます。
最近の研究では、外部から与えられる強いストレスや加齢に伴う老化によって、体内のカンナビノイドが不足してくると、ECSがうまく機能しなくなると報告されています。
また、THCVには、下記のような、身体機能の改善や、病気を治療する見込みのはたらきがあるという研究報告があります。
・抗けいれん薬:Phytocannabinoids and epilepsy
・食欲抑制および血糖値調整作用:Δ9-Tetrahydrocannabivarin (THCV): a commentary on potential therapeutic benefit for the management of obesity and diabetes
臨床現場で使うためにはさらなる研究が必要ですが、様々な治療への使用が期待されています。
THCVの体への影響とは
THCVの体への影響にはどんなものがあるのでしょうか?
ここではTHCVの体への影響を研究報告なども交えながら、3つ解説します。
THCVは禁煙サポートの期待ができる
THCVの摂取が、禁煙のサポートに役立つ可能性があるという研究報告があります。
この研究はラットを用いた動物実験ですが、THCV投与がニコチン離脱後のニコチン探索行動(タバコを吸いたくなる)を抑制し、またニコチン離脱による不安のような精神症状および身体的特徴を抑制したと報告しています。
通常、禁煙すると人間には離脱症状(禁断症状)が現れます。
例えば、たばこが吸いたくてたまらないという欲求や、眠気、イライラして落ち着ついていられないなどです。
また、離脱症状のピークは、禁煙開始後2~3日で、離脱症状自体は2週間程度は続きます。
つまり、禁煙がなかなか成功しないのは、離脱症状のためだと言われています。
https://greenstore.jp/blogs/columns/cbd-sj19
まだ動物実験の段階ですが、THCV摂取で禁煙後の離脱症状が出ないのであれば、禁煙へのハードルも下がって禁煙もしやすいのではないでしょうか。
ハイになる体への影響は実証されていない
THCVの「ハイになる体への影響」は実証されていません。
THCVは、大麻草に含まれるカンナビノイドの中ではマイナーな存在で、研究はまだ始まったばかりです。
また、含まれている大麻草と含まれていない大麻草がある、もともと大麻草での含有率が高くないという事情もあります。
THCVの体への影響は低用量と高用量でふるまいが違う、つまり投与量次第で異なるという報告があります。
つまり、十分に研究されていないので、「ハッキリと言えない」のです。
副作用はほとんどない
THCV摂取での副作用は特に報告されていません。
純粋なTHCVを10mgずつ、5日間毎日、経口投与しましたが、副作用の発現程度は、プラセボを服用した場合と同じであったと報告されています。
研究報告は多くありませんが、現在までの結果からTHCVはほぼ安全に使えると言われています。
しかし、一部の被験者から「THCVの摂取で、倦怠感を感じる」という報告もあるので、運転や機械操作をする場合は使用を控えた方がよいでしょう。
他のサプリメントと同様に、新たなサプリメントを試す場合は、自分の健康状態を良く知っている医師や薬剤師に相談しましょう。
THCVの購入方法
CBDの評判も手伝って、THCVの特別な体への影響が注目を集めています。
しかし、THCVを含む品種が生育しているのは、中央アジアやアフリカ南部なので、自然界では大量には生産されないのが最大の難点です。
そのため、THCVオイルのような単一成分の商品を探すより、大麻草のTHC以外のすべての成分の入った、フルスペクトラム製品のCBDオイルなどを探した方が良いでしょう。
製品の特徴、含有カンナビノイド欄にTHCVが入っているものを探しましょう。
THCV(テトラヒドロカンナビバリン)とは?THCとの違いや原料・効果について解説!|よくある質問
THCVに関してよくある質問をまとめました。
THCVの原料は何ですか?
THCVの原料は、THCやCBDと同じように大麻草です 。
すべての大麻草に含まれているのではなく、THCVを含む品種が生育しているのは、中央アジアやアフリカ南部だけと言われています。
しかも含まれる量がごく少量で希少です。
そのため研究も十分に進んではおらず、またCBDのように単一成分(アイソレート)製品の商品を探すのは非常に大変です。
そのため、THCVオイルのような単一成分の商品を探すのではなく、大麻草のTHC以外のすべての成分の入った、フルスペクトラム製品のCBDオイルなどを探すことをおすすめします。
CBDaの体への影響は何ですか?
CBDaとは、CBDの前駆体(前段階の物質)で、生の大麻草やヘンプにはCBDa(カンナビジオール酸)という形で含まれています。CBD は、CBDa を加熱して初めて生成されます。
CBDaの体への影響として以下の研究報告がありますが、通常、医薬品は実用化されるまでに長い年月の研究が必要です。
CBDaの研究はまだ基礎研究段階で、十分ではなく、実用へ至るのはまだ先のことです。
CBDaは、CBDよりも強く有毒物質や乗り物酔いによる吐き気と嘔吐を抑えるという研究結果が日本やアメリカの研究で示されています。
【参考文献】
・抗けいれん(抗てんかん):Use of cannabinoids in the treatment of epilepsy
・炎症に良い:Cannabidiolic Acid as a Selective Cyclooxygenase-2 Inhibitory Component in Cannabis
さらにCBDaには予期性悪心発現にも良い影響があると研究結果によると示されています。予期性悪心とは、抗がん剤治療の前に、がん治療が始まる前から治療時のことを考えるだけで患者を襲う激しい吐き気のことです。
人を対象とした研究はまだこれからですが、 CBDa には、今ある薬より安全な薬になり得る可能性があります。
CBDaは、治療抵抗性の悪心と嘔吐やてんかんなど、さまざまな疾患の治療に重要な役割を示す可能性がありますが、まだ十分に研究が進んでおらず、実用に至るのはまだ先のことでしょう。
THCV(テトラヒドロカンナビバリン)とは?THCとの違いや原料・効果について解説!|まとめ
THCVは希少で合法な大麻草の成分であり、体への有益な影響もあり、また副作用もほとんど起こりません。
THCVを摂取したい場合は、フルスペクトラム製品のCBDを探して購入するのがおすすめです。