医療用大麻解禁へ 使用罪も創設? 厚労省、22年法改正目指す(CBDにも影響!?)
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大麻の取締り強化などについて議論する厚生労働省の有識者会議「大麻等の薬物対策のあり方検討会」が2021年1月から始まりようやく最終報告が取りまとめられました

初回の検討会は1月20日におこなわれ、2月にようやく議事録が公開され、今月6月11日に8回目(最終)の検討会が行われ、現行の大麻取締法に「使用罪」を創設することなどを明記した報告書をまとめました。

一方、現在国内で規制されている大麻草を原料にした医薬品について、使用を認めることも盛り込まれたようです。

来年の法改正に向けた具体的な検討作業がいよいよ始まるようです。

いったい、何が話し合われたのか...!?

●なぜ、検討会を開催することになったのか?

大きく分けて理由は3つだと思います。

 

法改正に向けた検討会開催理由

理由その① 法律が古い

大麻取締法が制定されたのは1948年と古く、この頃は大麻のどの成分が危険なのかすら分かっていなかった。何より戦争で敗戦した日本はアメリカからの圧力もあったりと、さまざまな理由でこの法律は定められました。

栃木県の大麻農家を訪問した際の昭和天皇(出典:『日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見』より)

 

理由その② 医療目的

諸外国で大麻を使用した医薬品が市場に出ていること、WHO(世界保健機構)や国連麻薬委員会において、大麻の医療用途への活用に向けた議論が進められている。とくに「てんかん治療」には大麻の成分が有効であると認められている。(エピディオレックス)

 

理由その③ 若年層における大麻乱用

検挙者が急増し、令和元年は過去最多を大幅に更新。約6割が30歳未満。と若い世代で大麻が蔓延している。SNSなどを通して身近に世界情勢が知れる昨今、「そんなに悪いもとは思えない」と気軽に手を出してしまう若者が急増している。

 

以上3つの観点からこの度、73年ぶりに法律の見直しが検討されたということです。

 

そして、厚生労働省の検討会は2021年6月11日、大麻を中心とした薬物対策の在り方について報告書をまとめました。現行の大麻取締法に規定されてない「使用罪」の創設について、賛成意見が多数示されたが、報告書には反対意見も明記されました。かなり際どい所ですが、使用罪は盛り込まれそうな雰囲気です。

 検討会は大麻を原料とした医薬品の国内使用を認めるべきとも提言。厚労省は審議会でも検討を重ね、「早ければ来春の法改正を目指す。」と発表しています。
 報告書では、大麻使用罪がないことが「使ってもよい」とのメッセージになりかねないことや、他の薬物の法的規制との整合性をとるため、使用罪が必要とする意見が多かったとした。
 一方、「薬物乱用者への回復支援が重視される国際的な流れに逆行する」「使用罪導入が大麻使用を抑制する根拠が不十分」といった反対意見も記された。
 大麻を原料とした医薬品については、海外で難治性のてんかん治療薬として承認されていると指摘。国内でも流通管理の仕組みなどがあれば、製造や使用を可能とするべきだとした。

 

結論

 こうした社会状況の変化や国際的な動向を踏まえまして、若年層における大麻乱用が拡大していることを問題視し、しっかりと取締りを行いつつ、また、医療への活用が期待されるものについては適切な対応を進めつることとした。 医療目的での大麻使用についての可能性を探りつつ、それ以外の不適切な使用については取り締まりを強化する方向性で決まりそうです。

 

 

個人的感想 

 CBD製品の扱いがどうなるかは現時点ではなんとも言えませんが、免許制にはならないと思います。

それより確実に部位規制はなくしてほしいですね。

現在、日本の大麻取締法では「部位規制」といって大麻草の「茎」や「種」から取れたものだけが「大麻ではない」と規制対象外にされています。この規制のあり方のせいで、他の部位から作られた製品は違法となり、海外で使える薬が日本では使えなくなっています。

ちなみにCBDなどの有効成分は「葉」や「花穂」に多く含まれているため、日本に入ってくるCBD製品は「茎」「種」由来のために無駄なコストがかさみ高額製品となっています。

この部位規制を外してもらえるともう少し低価格で皆さんのお手元に素晴らしいCBD製品をお届けできます。

また、THCの基準値もきめてほしいですね。

現在も茎由来であり、かつTHCが検出されなければ輸入はできるのですが、「0」と言っても、精密な検査方法を使えばわずかながら検出される可能性があります。ゼロとして扱う基準値が開示されていないため、輸入の際にメーカーは手探りで対応しています。

アメリカではTHCが0.3%未満という線引きですし、国際的には1%未満ともされている国もあります。(スイスやタイ)ヨーロッパでは0.2%未満です。

日本は正直いってさじ加減なので目を付けられれば違法製品にされかねません!

部位規制を撤廃し、THC含有量の上限基準を明確に示してもらえれば、海外で代替医薬品として使っているような製品を国内に持ち込んで使えるようになりますし、THCを完全な悪というような表現やメーカー同士でのマウントの取り合いもなくなり、より健全でフェアな業界になると思います。

 

 

監修者

株式会社Green 代表取締役荘司晃久
国内初のCBDテイスティング専門店CBD GReEN Storeの社長。元は音響エンジニアリング(PAエンジニア)として活躍。アメリカでCBD製品に出会い、麻という植物の持つポテンシャルを安心・安全に活かすために、国内最大級のCBDをテイスティングできる専門店をオープン。ユーザーのニーズにあったCBD製品を届けることができるように、海外を飛び回ってCBD製品の買い付けをしている。YouTube・Twitter・Instagram・FacebookなどでCBDに関する情報を発信中。